土は目詰まりを防ぐため粉末状態のものを振いに掛け取り除きます。
土はあまり小粒を選ばず中粒程度(5mm〜8mm程度)が適しています。
鹿沼土や赤玉土なら単品でも結構です。
ここでいう山砂とは、いわば小石のようなものです。水捌けが良すぎるので保湿のため少量の鹿沼土や赤玉土を配合します。山砂が無ければ日向砂でも代用できます。(但し日向砂は山砂より保湿が高い。)
マニアの方の中には山砂を更に細かく(2〜3mmに)振るい分けて使用される方もいます。
この状態の土に腐葉土を20%程度加えただけでも十分育ちます。
腐葉土と共にピートモスやパーライトを配合すれば更に良い土となります。
但し、あまり多くなりすぎると目詰まりを起こす原因にもなりますので配合には注意をします。
例;腐葉土10;ピートモス5;パーライト5 合計20%に対し土80%(2:8の割合)若しくは3:7の割合。
腐葉土も粉末状態のものはなるべく使用しないようにします。腐葉土とピートモスは何れ肥料化して土に馴染んでしまいますので植物の成育状態を見ながら目詰まり状態になるようであれば植え替えをします。
土の栄養分は土を作る段階では必要としません。後で与える肥料で植物の成育は決まります。
露地栽培においてはあまり土を選ぶことはできませんが粘土質の場所は適していません。
土が固くなりやすく水遣りをしてもすぐに染み込まず根に届いているか疑問です。
その様な場所では、山砂(振るい分ける必要なし)を大量に漉(す)き込み水捌けを良くしておきます。
植え替え時期は植物の種類にもよりますが、根が動き出す前の春先か根が休眠する時期の晩秋の頃が適しています。花が終わると株は成育期に入ります。成育期前も植え替えには適しているようです。春先や晩秋はすでに新芽ができていることがありますので、新芽を傷つけないように植え替えることが必要です。
慣れない場合は開花後の成育期に入る前が安心できます。

山野草などはあまり根元を崩すと成育が悪くなります。時には枯れてしまうような植物も多くあります。
そのため根元は崩さず一回り大き目の鉢に植え替えるのが基本です。
この場合少しだけ根元の周りの土を整理し取り除きます。根が多く張り出しているようであれば根も少し切り取ります。
新しく鉢に植えつけるとき周りに用土を補給します。こうすることで新しい土にも慣れ根の張りも良くなります。
多くの植物は多少時期がずれても、手荒く扱っても立派に育っていますのでそれほど気にすることでもありませんが、やさしい気配りも植物を育てる上では必要と感じます。

野生の植物はその土地の利を活かした養分を栄養として生きています。基本的には腐葉土から得られる養分が主な栄養源となります。
そのためあまり肥料の種類などにはこだわる必要はありません。市販の腐葉土(出来れば醗酵したもの)を株元に施肥するだけでも育ちます。
あえて肥料をする場合は植物の成育状態を見ながら市販の園芸肥料を少量与えます。慣れないうちは化成肥料が手軽で便利です。
慣れてくれば有機肥料がお勧めです。有機肥料の場合害虫が発生しやすいためその後の対策も必要になります。(腐葉土も有機肥料です。)
各メーカー様ざまな園芸肥料を販売していますので説明書をよく読んでご使用下さい。失敗しやすいのも化成肥料です。与えすぎは枯らしてしまう原因にもなります。
施肥の時期;
基本的には根が活動している時期です。早春〜晩秋まで。(夏場と冬場を除く)
花が終わった頃がわかりやすく適期と思います。この頃は株の成育期でもあります。
慣れた方なら、花の咲く前に花を育てるための肥料を与え、花の後は株を育てるための肥料、又苗を育てるための肥料などとそれぞれの条件に合わせて施肥をされます。
しかしながら、野草は元々自然に生きているものです。あまり過保護にしすぎると本来の性格を失ってしまい自然の環境に対応できなくなってしまいます。
そこで、施肥の目安として
液 肥; 植え替え時や葉の色が薄くなったとき(栄養不足)に水遣り替わりに週2〜3回。状態を確かめその後通常の肥料を施肥。
固形肥料(有機・化成肥料); 早春〜晩秋、株の成育期に2〜3回。
殺虫剤;
野生の花とはいえ害虫の餌食になってしまうことがしばしばあります。原因はやはり環境の違いが大きいのではと考えます。
山野では意外と少ない害虫も綺麗に整備された人里では害虫の標的になりやすいものです。
出来るならば薬剤(農薬)は使わないようにするのが一番ですが、せっかく楽しみにしている野花や山野草が被害にあうのはつらいものです。
害虫の主なものに、ヨトウムシ、コガネムシ、ネキリムシ、カイガラムシ、アブラムシ、ハダニ、グンバイムシ、ナメクジ、ケムシなどがいます。
まだまだいるのですが、これら害虫はせっかくのガーデニングを台なしにしてしまいます。
※殺虫剤は説明書をよく読んでご使用下さい。
主な殺虫剤の特長;
接触剤=害虫が薬剤に直接触れることで駆除するタイプ。;マラソン、スミチオン、DDVP,デナポン。など
毒 剤=害虫が葉や茎を食害することで中毒死するタイプ。;BT剤、カルホス、ディプテレックス。など
浸透剤=散布することで植物全体に薬剤成分が浸透し取り付いた害虫が駆除するタイプ。;オルトラン、オンコル、ダイシストン。など
これらの殺虫剤には粉剤、液剤、スプレータイプなど又品名も様ざまなものがありますので注意書をよく読んで選びます。
殺虫剤に頼らない害虫駆除;
殺虫剤に頼らないということは非常に難しく根気の要る作業を伴います。
箸やピンセットで取り除ける害虫はこまめに見けるとつまんで駆除します。
苗や小さい野草は寒冷紗でハウス状に覆ってやるとアブラムシや飛来性の害虫が着きません。
また、アブラムシに限っては光を反射するものを嫌いますので、反射テープなどを利用することで以外に防げます。
ヨトウムシ、ナメクジなどはビールを皿にいれておくとビールにおびき寄せられて溺死してしまいます。
ダンゴムシはジャガイモ、かぼちゃ、などの野菜を切り伏せておくとその下に集まってきます。集まったものを全て取り除きます。
病気の予防も兼ねて海水を10倍程度に薄め散布してやると以外に害虫がつきにくくなります。ウィル性の病気にも効果があるようです。
石灰も同様に病気の予防も兼ねて植物全体にかけてやると効果があるようです。(葉や茎の柔らかい植物には避ける)
木酢液も最近では利用されています。
しかしこれらの殺虫方法が全て確実に効果があるものではなく殺虫剤などは薬害もあり逆効果となることを忘れてはなりません。
夏場の管理方法は乾燥や鉢蒸れに注しなければなりません。風通しも良い場所で管理します。
そのため寒冷者などで日陰を作り栽培をするのですが、それでも鉢は以外に乾きます。
その場合の対策として鉢の底に受け皿を敷き、水を溜めておくのですが今度はその水の温度が上がりすぎて根腐りが心配になります。
この場合水を溜めた受け皿に直接鉢を置くのではなく、皿の中に山砂の中粒程度を敷きその上に鉢をおきます。
こうすることで水の毛管現象で少しずつ吸収され鉢の乾燥が防止できます。

冬場の管理で注意することは意外と乾燥です。特に軒下などで管理している場合は雨や夜露が当たりにくく、更に空気が乾燥しているので注意が必要です。春になって気が付けば枯れているということが良くあります。
また、凍結しやすいのも軒下です。
植物の種類にもよりますが、このような場合は思い切って戸外に放置して雪や雨に当てておく方が無難です。冬場は殆どの植物が休眠しています。多少寒空にさらされても意外と丈夫なものです。重要なのは冬場でも雨や夜露がしっかり当たることです。降り積もる雪もそれほど気にすることはありません。
気なるような植物の場合は鉢のまま土に埋め込みます。更に根元に藁や乾燥させた草(干草)を敷きます。こうすることで乾燥も凍結も心配なく冬が越せます。
上部の葉や茎は枯れるかもしれませんが、株はしっかり春の準備を始めています。
埋め込む場所は南側を選び粘土質の場所を避けます。日あたりの良い場所でも結構です。春になり日差しが強く感じれば掘り起こして通常の管理場所へ移動します。

管理が十分できる方は屋根つきの棚を作り、更に回りを板塀などで囲い寒風を避けます。
日中は日が差す工夫も必要です。当然鉢の乾燥や凍結に注意します。
株分け;
株が大きくなり株も増えた場合は株分けをしますが、この場合も鉢から抜き取った株の土は落とさず、切り分けます。前項の植え替えの手順同様に行います。
このとき、子株は増えたがまだ大きくなっていない場合があります。どうしても株分けが必要な場合は、子株と大株を別々にするのではなくなるべく大株になった部分を切り分け子株は大株に残し植え替えます。
このとき刃物で大胆に切り分けるのではなく、なるべく手で株と株を引き分けその部分に刃を入れ切り分けます。切り分ける部分を最小限に留めます。
株分けをする際は株全体をバラバラに細かく分けて少しでも多く増やしたいと思いがちですが、なるべく大きく分けた方が植物の成育のためには適しています。失敗も少なく、後の管理も楽になります。細かく分けると大切な根を傷めることにもなります。
種まき;
種ができると種を撒いて増やしてみたいものです。
しかし、株をしっかり育てるには花が終わるとなるべく種を付けないように花茎を切り取るのが一般的です。株の養分が種を育てる方にまわるからです。
十分に育った株なら一度種を付けその種を撒いてみましょう。
1年草の場合はその年で終わりますので株を育てる心配はありません。
1年草の種はその年に種まきをする必要はなく、翌年の春に撒きます。種は春まで保存して置きます。
2年草や、越年草は種を撒いてもその年には開花せず冬を越して翌年に開花期を迎え開花を終えたものは種を残し枯れてしまいます。
種がしっかり熟したものを撒くとその年に発芽します。つまり種を採取したなら早めにその年に撒き冬までにしっかりとした苗に育てます。
大きく育ったものから翌年には花を咲かせるようになります。小さい苗は時期を多少遅れて咲くか、育成にもう1年かかることもあります。
2年草、越年草は開花後枯れてしまうことが多いのですが、経験上、更に翌年も開花させることができる種類もあります。
花を楽しんだ後、早期に一旦根元まで刈り込みます。そうすると新たに新芽を出し株が育っていきます。この状態で冬を越させます。この株からは翌年も花を咲かせることが出来ます。但し あまり早すぎると花芽を出しその年に2番花を咲かせることになりますので注意します。
多年草の多くは株が増えるものが多いのであまり種で増やすことは少ないのですが、この場合も完熟した種を翌年の春まで保存し春に撒くのが一般的です。
その年、完熟した種を株元に撒いておくと結構発芽することがありますのでこの方法が簡単で手間も要らず簡単に増やせます。(但し翌年にならないと発芽しないものも多くあり、種が腐る場合があります。特に秋に種ができるもの。)
使用する用土は鹿沼土の小粒若しくは山砂の小粒を使います。
育苗箱には身近にある手ごろなプラ(発泡スチロール)容器の底に水捌け用の小さい穴(2mm程度)を適当に開けて利用します。発泡スチロールの容器なら爪楊枝で突いて空けられます。
容器の深さも3cm〜5cmほどあれば利用できます。スーパーなどで買い物をしたとき容器を捨てず残しておいてください。大変便利です。
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種を撒き終われば日陰で管理します。戸外が少し寒ければ容器をラップやビニールの袋で包み爪楊枝で適当に穴を開けておきます。
1〜2週間で発芽しますが双葉が出た頃、ある程度間引きます。残した苗の本葉が2〜3枚出るまでは管理し、その後移植します。なるべく土は落とさず移植します。移植後はしっかり水を与えます。
移植後もしばらくは半日陰以上の場所か若しくは寒冷紗などで囲い管理します。
移植後、苗が土に馴染んできた約1週間後位いに液肥を与えます。その後は通常の管理で育てます。
菊科の植物のように茎が木質系の植物は以外に挿し木で増やすことができます。
又、1年草に良く見られる茎が徒長し途中の節から根を出すような植物も同様に挿し木ができます。
挿し木にするには若葉の頃、20〜25cmほどに伸びた茎を切り取り、約10cmほどの挿し木苗(穂木)を作ります。この場合だと2本から3本の苗ができます。
切り取る苗には葉が4〜5枚付いた状態が良いと思います。
カッターナイフのような刃先の鋭いもので切り口をやや斜めに切ります(葉の付いている節のやや下あたりをカット)。付いている葉の上3枚程度を残し下の葉は切り取ります。葉が大きい場合は葉を半分にカットします。
挿し木する苗はしばらく水に漬けておきます。(水揚げ)
苗床は鹿沼土の小粒を振るいに掛け微粉末を取り除きます(微粉末は後で利用します)。苗床用の土も販売されていますのでそれを移用しても結構です。いろいろな土を配合する必要はありません。肥料もしません。
挿し木苗の切り口に先ほど振るいに掛け取り除いた微粉末を付けます。できれば小さな団子状にまとめてやります。(約1cm程度の玉)
植え込む深さは挿し木苗の大きさにもよりますが、約2〜3cmあれば良いでしょう。
植え込みが終わればしっかり水をやり半日陰で管理します。葉の脇から出る芽が育ち4〜5枚の葉が出れば根も良く出しているので植え替え(移植)ても大丈夫です。
注意するのは、管理中の乾燥です。乾燥は致命的なダメージを受けることがしばしばあります。そのため日向となる場所では管理しないことです。
多湿も禁物です。多湿の場合は切り口が腐る場合があります。
そのため土の乾きを見ながら水遣りをします。土の表面が少々乾いても中は多湿になっていることもありますので要注意です。特に根が出るまではしっかりとした管理が必要です。
目安に挿し木の側に爪楊枝や割り箸を挿しておき時々抜き取って土の乾きを調べる方法もあります。(抜き取ってうっすら湿っている状態が良い。濡れた状態は多湿。)お試し下さい。

植え替え当初もしばらくは半日陰以上の場所か若しくは寒冷紗などで囲い管理します。その後通常の場所で管理します。
路地で育てる場合と鉢で育てる場合の違い;
露地栽培は一旦根が付くと後々の管理はさほど難しくありません。注意をするのはその植物が日向を好むものか、日陰を好むものかの違いで植え付ける場所を考えます。
当然、土質も必要ですが粘土質以外であれば殆ど問題ないでしょう。
水遣りも頻繁に行う必要がありません。意外と自然に任せても大丈夫です。
肥料もさほど気にすることもなく育ってくれます。
鉢栽培となるとそうは行きません。
その植物の環境状態を整えてやらなければなりません。狭い鉢の中で精一杯生きていくのですからなるべく自然に近い条件が必要となります。
その植物の性質を把握し土作り、水遣り、肥料、管理場所などをその植物に合わせて全体の環境を整えてやります。きめ細かく気遣いする必要はありませんが、枯らしてしまっては後で悔やんでもしかたがありません。
鉢栽培での失敗は殆どが水遣り(多い=根腐り。少ない=根枯れ)と管理場所です。
もう一つ、鉢栽培では露地栽培と比べ株が大きく育ちにくい要因があります。
やはり、自由に根を張り養分もしっかり取れる露地栽培は大きく育ちます。
その逆が鉢栽培となります。決められた範囲でのみ根を張ることも養分を取ることもできないため成長が抑えられます。盆栽が良い例です。何十年経っても大木にはなりません。
大きく育てるなら路地栽培。小さく育てるには鉢栽培となります。

ここでは多年草のキク科の植物、野菊を例にします。
【野菊の育て方−1】
野菊は放って置くと徒長します。種類によっては1m近くにもなり枝が地を這うような状態になり易いので添え木をし、形を整える必要があります。
そのような徒長を防ぐための工夫です。下の図のように摘心をします。
@下葉を数枚残し上部の茎を切り取ります。
Aそこから出る芽を育てます。それでも徒長が激しければ一番下の枝1本だけを残し後は全て切り取ります。
B残った枝からは更に新芽、花芽と出てきますのここでも不必要な枝は摘心、あるいは切り取り残りの枝を整え育てます。
図1
図の2は更に低く育てる場合です。(10cm〜20cm程度の草丈)
この場合7月〜8月上旬ごろ一度茎を刈り取ります。場合によってはすでに株元から新芽が多く出ていることもあり状態を見ながら親となる茎を刈り取ってください。つまり、株元から新芽が出ていない場合は親茎を下葉1〜2枚残し刈り取り株元から新芽を出やすくします。新芽が出ればそれを育てます。新芽があまり出ないようであれば親茎の葉の間から出る芽を育てます。この場合は上記の図1−3のような状態となりますが、背丈はかなり低い可愛らしい状態で花が楽しめます。
図2
【野菊の育て方−2】
鉢栽培の場合、用土は園芸店で販売されている菊専用の用土が手軽で最適でしょうが、余り神経質になる必要はありません。赤玉土や鹿沼土の中粒と腐葉土の配合で十分育ちます。根が鉢いっぱいに張ってくると目詰まりを起こすことがあります。その場合は用土を落とさずに一回り大き目の鉢に植え替え不足の用土を追加します。
また、肥料も成長の度合いにもよりますが、園芸種の大菊のような栽培ではありませんので開花期までに夏場を避け2〜3回程度少量の園芸肥料で十分です。無肥料で腐葉土の配合だけでも育っています。
管理場所は露地栽培では日向でも十分に育ちますが、鉢栽培の場合、夏場は鉢蒸れ防止のため午前中の3〜4時間程度、陽があたり後は日陰となるような場所で管理します。
以上を参考に野菊もお楽しみください。
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